特集:
2008/04/09 日記<租税>
租税
租税(そぜい)・税(ぜい)とは、公共部門(国や地方公共団体など)が、公共サービスを実施するための原資として、民間(住民や法人など)から徴収する金銭その他の財貨・サービスである。俗に税金(ぜいきん)とも呼ばれる。また、税制(ぜいせい)は租税制度を指す用語である。また、出版|出版物などの著作者へのロイヤルティを印税と呼ぶ。また有名になることのさまざまな代償を比喩的に有名税と呼ぶことがある。これらは租税ではない。
租税の機能
租税(税金)には次の3つの機能があるとされている。
租税が課される根拠
租税が課される根拠として、大きくは次の2つの考え方がある。
租税の基本原則
納税の義務
日本国憲法第30条では、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」と納税の義務について規定している。同条は国民に納税の義務を課したものとして国家による徴税の根拠となっている。もっとも、憲法は国家の義務を定めたものであるにも関わらず、国民の義務を定めたと解釈するのは誤りであるとする向きもある。同条は国民が法律に基づかなければ課税されないという権利を定めたとみることも出来る。また、課税するときは法律に基づくように国家に義務付けたと見ることも出来るだろう。
租税法律主義
租税法律主義とは、租税は、民間の富を強制的に国家へ移転させるものなので、租税の賦課・徴収を行うには必ず法律の根拠を要する、とする原則。この原則が初めて出現したのは、13世紀イギリスのマグナ・カルタである。近代以前は、君主や支配者が恣意的な租税運用を行うことが多かったが、近代に入ると市民階級が成長し、課税するには課税される側の同意が必要だという思想が一般的となり始めていた。あわせて、公権力の行使は法律の根拠に基づくべしとする法治主義も広がっていた。そこで、課税に関することは、国民=課税される側の代表からなる議会が制定した法律の根拠に基づくべしとする基本原則、すなわち租税法律主義が生まれた。現代では、ほとんどの民主国家で租税法律主義が憲法原理とされている。
租税公平主義
租税公平主義とは、租税は各人の担税力(租税負担能力)に応じて公平に負担されるべきという原則と、租税に関して全ての国民は平等に扱われるべきだという原則の2つから構成される。
税金の歴史
租税の歴史は国家の歴史と密接に関連する。極端な増税は、農民など税の負担者を疲弊させ反乱を招き国家の滅亡につながることもあった。原始には、神に奉じた物を再分配する、という形を取っていた。歴史的には、労働、兵役やその地方の特産物等による納税が行われた時代があった。例えば万里の長城など歴史的な建造物の多くは、強制的な労働力の徴発より作られたものと考えられる。現代では、相続税における物納などの例外を除き、金銭による納付が原則とされている。金銭による納付のメリットは、納税者を租税としての強制的な労働や収穫物の調達といった煩わしさから解放することにある。古代エジプトのパピルス文書に当時の農民に対する厳しい搾取と免税特権をもつ神官・書記に関する記述がある。古代ローマ帝国のマルクス・ユニウス・ブルートゥス|ブルータスは属州の長官に赴任したとき、住民に10年分の税の前払いを要求した。古代中国の漢の主要財源は、算賦(人頭税及び財産税)、田租、徭役(労働の提供)であった。古代インドのマウリヤ朝では、農民に対し収穫高の四分の一程度を賦課し、強制労働も行われていた。唐では当初均田制に基づく租・庸・調の税制を採用したが、農民の逃亡が相次いだため、荘園に課税する両税法が導入された。また、塩の市場価格の10倍もの間接税を課した。中世ヨーロッパの封建領主は、賦役、貢納の他、領民の死亡による労働力低下を理由に、相続税、死亡税を賦課した。また、女性の結婚に当たっては、結婚許可税を徴収した。ドイツでは1524年に、賦役や貢納の義務の軽減などを求めて農民の反乱が起こった。イングランドでは王に議会の同意がなければ課税を行わないことを求めたが無視されたため、1642年に清教徒革命|ピューリタン(清教徒)革命が起こった。オランダでは16世紀に支配者であるスペインのアルバ総督からすべての商品の販売に対し10%の売上税を課された。この売上税は、今日の消費税のように仕入税額控除が認められていないため税が累積することとなり市場取引を麻痺させた。この圧政が1581年のオランダ独立宣言の一因となった。明末の李自成の乱のスローガンには、3年間の免税が謳われていた。フランスのアンシャン・レジームの下では、3つの身分のうち、第1身分の聖職者と第2身分の貴族は免税の特権を持っていた。この特権を巡る抗争が1789年のフランス革命に繋がっていく。ロシアのロマノフ朝の重税に苦しむ農民は逃亡後、コサックという集団を形成し反乱を起こした。イギリスが植民地戦争の戦費調達のため1765年の印紙法により植民地に重税を課したことが1776年のアメリカ独立宣言の一因となった。
租税の種類
租税は観点の違いからいくつかの種類に区分できる。
直接税と間接税
租税は納め方によって2つの種類に分けることが出来る。
一つは、納税者と納税義務者が一致することを想定している直接税である。納税者が、国や地方公共団体に直接納めるもので、所得税、法人税、道府県民税、事業税等がこれに該当する。
もう一つは、納税者と納税義務者が一致しないことを想定している間接税である。これは、納税者が直接納めず、納税義務者たる事業者などを通じて納める租税で、消費税、酒税等がこれに該当する。
このように、直接税と間接税との相違は、納税者から担税者への税負担の転嫁があるか否かに求められる。しかし転嫁の有無は、そのときの経済的な諸状況によって様々であり、これをもって直接税と間接税の区分の基準とするのは正確ではないとも批判される。また、納税義務者の実感は上述の説明と往々にして異なる。所得税は直接税であるはずなのだが、給与所得者(サラリーマン)の場合、勤務先企業が源泉徴収して国へ納入する仕組みが取られているため、給与所得者自らが納税義務者であるという感覚は薄い。逆に消費税は間接税なのだが、日々の買い物で消費税額を常に意識せざるを得ず、自らが納税義務者であるかのように感じられる。
国税と地方税
租税は課税権者に応じて2つの種類に分けることが出来る。一つは、国税であり、もう一つは地方税である。
応益税と応能税
両者の区分は、いかなる課税が公平であるかという哲学的な問題に関わっており、現存する租税のすべてをこれらどちらかに厳密に区分することは困難である。
普通税と目的税
租税は、特にその使途を特定しないで徴収される普通税と、一定の政策目的を達成するために使途を特定して
徴収される目的税とに区分される。所得税、法人税、消費税は普通税である。目的税としては、国税では地方道路税や電源開発促進税がこれに該当し、地方税では水利地益税や国民健康保険税などがこれに該当する。
内国税と関税
租税は内国税と関税に区分される。内国税は、国税にあっては国税庁の下部組織(国税局、税務署)によって、地方税にあっては地方自治体の税務部局により賦課・徴収されるのに対し、関税は税関により賦課・徴収される。
本税と附帯税
国税については、所得税、法人税などの本税と、これらの本税が、期限内に納付されなかったり、申告が偽りに基づいていた場合などに課される附帯税とに区分できる。なお、印紙税の不納付については、附帯税ではなく、過怠税が課される。
収得税、収益税、財産税、流通税、消費税
租税は、納税者の租税を負担する能力(担税力)の基準を何に置くかにより、次のように区分できる。
関連項目
外部リンク
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